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なつ
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生誕120年 小野竹喬展 
小野竹喬展

竹橋の東京国立近代美術館で「生誕120年 小野竹喬展」が開催されている。
1999年に行われた生誕110年、没後20年記念展以来10年ぶりの大回顧展で、
本画119点、スケッチ52点という出品数は過去最大らしい。
小野竹喬のこれだけ多くの作品をまとめて見るのは、私にとって初めての機会。
もう絶対行きたい、それもゆっくりと見たい。
でも私は、前期に行きそびれ、今はすでに後期…。
NHK日曜美術館でももう放映されたから、混んでるだろうなぁなどと思いつつ、
長谷川等伯展で思いっきり混雑に懲りている私がたどり着いた結論は、
「雨の日ならちょっとはマシかも…。」
雨降りで、思いっきり寒い冬日となった昨日の木曜日、思い切って見に行ってきた。

行ってみての感想。
期待通り、いや、期待以上の本当に凄く見応えがある展覧会だった。
パンフレットに「本展では“色”に重きをおく作画へと転じた1939(昭和14)年頃を大きな転換期とみなし、
それを境に竹喬の作品を2章に分けて紹介します」とあるように、約75年(!)に渡る画家の画業を、
前半と後半に分け、各章の後に、特集展示「竹喬の渡欧」「奥の細道句抄絵」がそれぞれ入っているという構成。
各章の作品も時系列に並んでいて、とてもわかりやすい。
作品を順に見ていくと、小野竹喬の作風のドラスティックな変化が本当によくわかる。

第1章の自然を細やかに描こうとした作品で惹かれたものもあったけれど、
「素敵!」「好き!」と思って、しばらく絵の前から離れがたい作品は第二章に多かった。
大胆にシンプル化して描かれた自然の形、そして、暖かく柔らかな色遣い。
内面を見つめるような濃く深い色にも、なぜか暖かさを感じる。
そしてその色の組み合わせの素敵さ。
ポスターやテレビで見たことがあった絵でも、その色の良さは、
実物の絵を見ないとわからないもんだなぁと当たり前のことを思う。

そんなこんなで、会場内滞在時間、2時間以上。
好きな絵を近くでじっくり見つめたり、ソファに座って遠くから楽しんだり、
図録を読んだりしながら、たっぷりと楽しんだ。

◆特に気に入った作品(覚書)
第1章 写実表現と日本画の問題 1903年-1938年
瀬戸内の春
瀬戸内の春 1916頃 笠岡市立竹喬美術館 
瀬戸内の海沿いの村。
季節は春、桜が咲く。棚田が広がり、里山の緑が鮮やか。
農家らしき茅葺きの家、蔵、家の石垣。山と棚田が広がる土地。
かなたには青緑色の穏やかな海が広がり、白い帆を揚げた船が行く。遠くには島も見える。

波切村 1918 笠岡市立竹喬美術館(飯田弟一氏旧蔵、遺族寄贈)
志摩・波切村(三重県)の雄大さを、朝(右隻)と夕方(左隻)の景色を一対にして描く。
茶色、赤茶、黄土色、緑。土地と樹木が大きく広がり、燃えているよう。
海沿いの高低差がある土地の山道、階段を収穫した稲を背負って上り下りする青い着物姿の農民の姿。
その姿を追い、屏風絵のすみずみまで風景を眺める。

山
 1929 笠岡市立竹喬美術館
富山県五箇山の重倉に取材した作品。
中国古来の「米法山水」の技法を用いている。
黒墨で力強く描かれた山々、その手前に細かい米点で描かれた山と森。
連なる山々の間には、湿潤な雲がたなびく。神々しさを感じる。

夕空
夕空 1953 ウッドワン美術館
パステル色の空に流れる雲、空には星がひとつきらめく。
そんな空を背景に、落葉した白と薄灰色の木。
右手に墨色で描かれた柿の木には、少しの葉っぱと柿が残る。
丸いコロンとした柿の実が可愛い。

第2章 自然と私との素直な対話 1939年-1979年
黎明
黎明 1960
★今回、2番目に好きになった絵
夜明けの空。穏やかで深く、なんとも言えない色。美しい。
空を背景に、流れるような姿をした柿の木。
枝先に芽吹いたばかりの新芽が見える。
夜明けと芽吹き、二つの新生。
静寂で穏やか。これから始まる、生まれる。
希望を感じる。心が安らぐ。

この絵の前にどれぐらいいただろうか。
長い時間この絵を独り占めした。
見つめながら実物が欲しいと熱望せれど叶わない。
絵はがきを買った。

根雪
宿雪 1966 株式会社ベネッセホールディングス
春にぽっかりと穴が開くように木々の根元から雪が解けるのを「根開け」という。
冬を幾度も経験した木々も、今年の若木も色々な色の木が雪の中から立ち上がる。
デザイン性が高い一枚。柔らかい雪色と木々の色もいい。

野辺
野辺 1967 笠岡市立竹喬美術館
★今回のマイベスト1
道端の土からすっくと元気に伸びる雑草達。
白い綿毛のような花、勢いよく伸びる芒(すすき)、いろんな色、いろんな色の葉っぱの草。
道端の草にもいろいろな姿があり、全てに違い、そして全てに名前がある。
後ろには、ふんわり白雲が浮かぶ青空。
可愛い形、可愛い色。みんな可愛い。
この絵、欲しい!

 1967
明るいオレンジ、黄色、青に塗り別けられた空。
竹が一本、すっくりと立つ。
気持ちが元気になる絵。

 1971 笠岡市立竹喬美術館
穏やかな海に小船が一艘。遠くにさおで操る人が一人。
たぶん繰り返される日常といつもそこにある自然。

一本の木 1972 岡山県立美術館
柔らかな色の青、夕日で赤紫色に染まった雲を背景に、
空に向かって大きく伸びる一本の木。
黄土色の幹。枝は左右に広がる。
年月を重ねた人間の姿にも重なる。
葉は枯れ落ちても、この木のように、堂々と立っていたい、生きて行きたいなどと思う。

京の灯
日本の四季 京の灯 1974 天満屋
比叡山の中腹から薄暮の京都の街を見下ろした風景。
日は落ちて、手前の山はすでに暗くなった時刻。
街では、赤、白、黄色、水色などの灯がキラキラと星のようにきらめく。
飴玉みたいな可愛い色。
京都に帰りたくなってきたよ…。

特集展示1 竹喬の渡欧

特集展示Ⅱ 奥の細道句抄絵
田一枚植えて立ち去る柳かな
奥の細道句抄絵 田一枚植えて立ち去る柳かな 1976 京都国立近代美術館
水を湛えた田んぼに映った青い空と白い雲。
植えたばかりの稲は声を揃えて、元気に歌っているよう。
楽しい。

最上川
奥の細道句抄絵 暑き日を海にいれたり最上川 1976 京都国立近代美術館
とにかく色がきれい。この配色が好き。
暑い一日、太陽が海に沈み、最上川も海に流れる。
穏やかな一日の終わりを感じてほっこり。癒された。



作品を見終わってふと思ったのは、
「私、この人の空の色と葉っぱが好き」
50才を過ぎてどんどん変貌を遂げ、80才代になっても
人の心をわし掴みにする素敵な絵を描き続けた小野竹喬さん。
会場を出た途端、もう一度、彼の絵に会いたくなった。


生誕120年 小野竹喬展 
東京国立近代美術館
2010年3月2日(火)~4月11日(日)
前期:3月2日-3月22日 
後期:3月24日-4月11日
東京国立近代美術館webサイト
NHK展覧会情報webサイト
小野竹喬展ポスター


【展覧会概要】
小野竹喬(おの ちっきょう 1889-1979)は、1918(大正7)年に京都で設立された国画創作協会のメンバーの一人として、日本画の新しい表現を模索したことで知られます。他方、後年には、温雅な色彩と簡潔なかたちを特徴とする画風を打ち立て、「風景の中にある香りのようなもの」(画家のことば)を画面にとらえようと、さりげない自然の表情に眼を向け続けました。
本展覧会は竹喬の生誕120年を記念し、初公開作品11点を含む本制作119点とスケッチ52点により、およそ75年にわたる創作活動を回顧するものです。本展では“色”に重きをおく作画へと転じた1939(昭和14)年頃を大きな転換期とみなし、それを境に竹喬の作品を2章に分けて紹介します。また、各章にそれぞれ「竹喬の渡欧」、「奥の細道句抄絵」と題した特集展示を設け、竹喬の生涯と作品に迫ります。

(近代国立美術館webサイトより引用)


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なつ
美術館・展覧会   14 3

:美術館・博物館 展示めぐり。 - :学問・文化・芸術


こちらでもやっていましたが、見に行かなかった。
こんな素敵な作品なんですね。

先にこちらでもやっていたのに、見に行かずに終わっちゃいました。

関西での開催は期間が短いとか東京でしかやらないとか
舞台と一緒で制約が多いのは仕方ないとは思うのですが。
地方だったら、もっと制約があるのに贅沢な悩みなんでしょうが。。。
2010/03/27 00:34 | | edit posted by さとまめ
こんにちは^^本当に美術が好きなんですね~
あっ!それからご自分で車、運転するのですね~これもビックリ!!!
ブログのレイアウトも変わって!なんだか新鮮です^^
2010/03/27 11:06 | | edit posted by セントラルパーク
さとまめさんへ
そうなんです、素敵なんですよー。
大阪と笠岡が先で、最後が東京だったみたいです。

私も東京に移り住んで、東京はやっぱり恵まれてると思いましたよ。
ほとんどの大規模な企画展が巡回しますし。

2010/03/27 13:39 | | edit posted by なつ
セントラルパークさんへ
絵も好きですし、美術館の中にいるのも好きなんです。

はい、車、運転します。
でも、調子が落ちるとペーパードライバーになるので、
運転するときは結構ドキドキするのですよ。。
2010/03/27 13:42 | | edit posted by なつ
運転お気をつけて。^^
2010/03/27 16:45 | | edit posted by セントラルパーク
管理人のみ閲覧できます
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2010/03/27 17:59 | | edit posted by
マイ・ベストの選択は難しいのですが、強いて選べば《日本の四季 京の灯》の色彩のコントラストです。
本当に良い展覧会でしたね。
2010/03/27 19:19 | | edit posted by とら
セントラルパークさん
ありがとうございます^^
2010/03/28 15:40 | | edit posted by なつ
とらさんへ
マイ・ベストを選ぶのは難しいですよね。
「日本の四季 京の灯」すてきでしたよね^^
手前の黒い山影によって、いろいろな灯りの色彩が際立っているように思いました。
本当によい展覧会で、またすぐ行きたくなっています(笑)
2010/03/28 15:45 | | edit posted by なつ
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2010/03/29 21:32 | | edit posted by
なつさん、こんにちは。
昨日はTB有難うございました。
画風の変化がよく分かり、興味深い展覧会でした。
私は、「奥の細道」シリーズを特に面白く思いました。
2010/03/30 06:30 | | edit posted by chariot
chariotさん
何度もお知らせ頂き、本当に助かりました。
ありがとうございました。

とても見応えのある展覧会で楽しかったですね。
「奥の細道」シリーズは、句の内容を自分で思い返しながら、
竹喬の絵を見るという作業がとても楽しかったです。
松尾芭蕉の一句一句を小野竹喬が読み解いて描いているのが
よくわかり、とても興味深かったです。
2010/03/30 12:58 | | edit posted by なつ
こんばんは
この展示は良い作品が多くて楽しい内容でしたね。
夕空などは本当に心に響きました。素晴らしいです。
2010/04/10 02:17 | | edit posted by 21世紀のxxx者
21世紀のxxxさん

見応えがありましたよね。
夕空は見ていて、切なくなるような作品でした。
心の奥にがつんと響く作品が多くて…
素敵な展覧会でした^^
2010/04/12 21:55 | | edit posted by なつ














 

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| 猫アリーナ | 2010.03.30 06:20 |
 久し振りに竹橋に出かけた。目的はもちろん竹喬の生誕120年回顧展をみるためだが、近美の常設展や工芸館にも寄ってきたので、それぞれを記事としたい。  まずは「小野竹喬展」。大阪でも開かれていたようだが、ヤット東京に来た。このように大規模な回顧展は見逃...
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