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横浜美術館コレクション展 2010年第1期
横浜美術館コレクション展

先日「ポンペイ展」を見た後、横浜美術館の常設展も見てきた。
特によかったのは、春から初夏にかけてのテーマを描いた日本画、長谷川潔の版画かな。
所蔵作品展なので何回か見た絵もあったけれど、久しぶりに見ると違った印象を抱く作品や、
以前は特に惹かれなかったけれど、今回は結構好きかも…と思う作品もあって、
「常設展も回を重ねて見続けると新しい発見がある」ことを発見して面白かった。

~特に気に入った作品、印象に残った作品の覚書~
◆春から初夏へ
安田靫彦 窓 1951年(大正26年) 紙本着色
一瞬、庭の額紫陽花(がくあじさい)を、窓辺の花瓶に活けてあるのかと錯覚。
赤紫、青紫、水色、白、微妙な花弁の色がきれいで見惚れる。
窓辺には赤絵のインク壺?、花瓶、筆立てとノート、そしてねずみ(?)の文鎮。
穏やかな空気が流れる空間。
やっぱり実物はいいな。
こんな書斎に座って窓からあじさいを眺めてみたいかも。。

先日近代美術館で見た「伏見の茶会」もよかったけれど、この静物画も好き。
ニューオータニ美術館でやっている展覧会も見に行きたいな。

小林小径 草花カーネーション
小林小径 草花(カーネーション) 1935年 紙本着色
右下から中央に向かって、ずんと横に伸びるカーネーション。
絶妙の配置、茎の交差で描かれている。
花色の白、赤、黄色がはっと目に飛びこみ込む。
母の日が5月にあるから展示されているのかと思ったら、
9月に種をまいて、花が咲くのが5月から6月にかけてらしい。

春の那々久佐
鏑木清方 春の那々久佐 1918年(大正7年)頃 絹本着色
春の七草を植えた鉢植えを下げて歩く黒頭巾姿の女性。
着物の紋と裾模様に梅の花。帯の模様は春の七草かな。
長襦袢の柄はなんだろう。
着物、ぞうりの鼻緒の浅黄色が初夏らしい感じがする。
また着物を着たいと思う日が来ればいいな…などと思う。

中島清之 流れと草花 1945年(大正7年頃) 絹本着色
抽象的に描かれた流れる水、水辺にはすみれ、ゆり、菖蒲etc.の春から初夏の花が可愛く咲く。
花々がきれいで見飽きない。 もっと草花の名前がわかるようになりたい。

◆特別展示 没後30年 長谷川潔の版画
故郷が横浜市で、横浜美術館に多くの作品が所蔵されている。

ダンスA 1915年(大正4年) 木版
黒に金色でシンプルに表現された女性の流れるような身体のライン。
何度見ても素敵だ。Kのサインも紋章みたいで好き。

長谷川潔 柳
 1916年 木版
かっこよし。

長谷川潔 思想の生るる時
思想の生るる時 1925年(大正15年) ドライポイント、手彩色
蒼に淡い紫、花々、そして、胸に手を置く女性。
幻想的な感じでとても惹かれた。

長谷川潔 奇術
奇術 1925年(大正15年) ドライポイント、手彩色
ハンカチを手に持つ奇術師。 周りの花々、魚、鳥、蝶 etc.
幻想的。絵はがきを買う

野辺小禽 1957年(昭和32年) 
小鳥を草花や実のなる枝が取り囲む。
ちょっと幻想的、やさしい感じで好き。

◆ドイツとロシアの20世紀前衛美術
ワシリー・カンディンスキー 網の中の赤 1927年 油彩、厚紙

◆ブランクーシとセザンヌのある部屋
ジョルジュ・ブラック 画架 1938年 油彩・カンヴァス

ポール・セザンヌ  縦模様の服を着たセザンヌ夫人  1882‐85  油彩・カンヴァス
何回目かの出会い。
ほの暗い顔、全体に流れる青白い色、お地味な色の縦縞の服。
全体に流れる青白い色調。空気まで青白い感じ。暗い…。
この暗さは今の私はアウト。

◆ダリとシュールレアリズムの部屋
ポール・デルボー 階段
  1948  油彩・板
 
サルバドール・ダリ ガラの測地学的肖像 1936年 テンペラ・板
着物を羽織るガラの肩のライン、首筋…。
ダリの目になり見つめる。 愛していたんだなぁ。
ちょっと粘着質ぽいけど…。

◆横浜開港から現代まで
椿君之肖像 
岸田劉生 椿君之肖像
 1915 カンヴァス
背景の強い赤、モデルの心の底まで描こうとするような強さのある絵。
やっぱり惹かれる岸田劉生。

岡鹿之助 橋 1948(昭和23年)
好きな画家。
以前、ブリジストン美術館で見た「岡鹿之助展」思い出す。

清水登之 ヨコハマナイト 
清水登之 ヨコハマ・ナイト
 1921年(大正10年)
賑わう伊勢崎町界隈の夜、人々の遣り取りの声が聞こえてきそうで、
何回見ても何回見ても楽しいと思う絵。

横浜美術館展コレクション展
2010年第1期:3月20日(土)~ 6月13日(日)
横浜美術館webサイト


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:美術館・博物館 展示めぐり。 - :学問・文化・芸術


ポンペイ展 世界遺産 古代ローマ文明の奇跡 @横浜美術館
ポンペイ展1

横浜美術館へ「ポンペイ展」を見に行ってきた。イタリア南部にあるポンペイの街が、ヴェスヴィオ山の大噴火で火山灰の下に埋もれてしまったのは、西暦79年8月24日のこと。日本ではまだ弥生時代なんだな。そんなことを思いながら会場に入る。まずプロローグとして、当時のポンペイの風景を描いたフレスコ画3点、2002年の発掘調査で見つかった奴隷と思われる噴火犠牲者1体の型取りと足につけられていた鉄製足枷などの展示があり、その後、10コーナー(ポンペイ人の肖像、信仰、娯楽、装身具、家々を飾る壁画、祭壇の神々、家具調度、生産活動、饗宴の場、憩いの庭園)に分かれて、本当にさまざまな品が展示されている。

まず目を惹いたのは、フレスコ画の色の鮮やかさ。例えば、背景の赤や黄土色、ドレスの淡い水色など、2000年以上前のものがこんなに色褪せないで残っている。驚くほどの保存状態の良さ。これも一日で灰に埋もれてしまった‘おかげ’だろうか。フレスコ画は一箇所にまとめての展示ではなく、描かれている内容別に、各コーナーに分かれて展示してあるので、ポンペイの人々の暮らしぶりをその絵から‘生の情報源’として知ることが出来て面白かった。

私的に興味深かったものひとつは「祭壇の神々」の展示コーナー
メルクリウス小像 ゲニウス小像
メルクリウス小像 青銅        ゲニウス小像 青銅
高さ14.0cm、台座:径5.9cm    高さ23.2cm、台座:7.7×7.7cm

14㎝ぐらいから一番大きなもので23.2㎝の小さな青銅製の神々の像が8点。どれもが表情豊かで、細工も細かく、表面の金箔の名残が見えるものもある。これらは、一般住宅や店舗など個人宅に祀られ祈りを捧げられた神々の像で、ポンペイの家では、どんな貧しい家にでも「ララリウム」と呼ばれる祠、もしくは祭壇が設けられていて、そこにはラル(家の守り神)ゲニウス(家長の守り神)が祀られ、住んでいる家族が日々祈り、供物を供える習慣があったという。これだけ聞くと、日本の仏壇や神棚に近いものと想像するが、「この世のあらゆる出来事は神々の意思によるものであり、彼らと協調し、平和を築くことが大事なこと」と信じていた古代ローマ人にとって、ララリウムと神像の存在意識は日本の神棚よりもずっと重要だったらしい。

そして一番度肝を抜かれたのは、これ、「ボスコレアーレ、ピサネッラ荘の高温浴室」
ボスコレアーレ、ピサネッラ荘の高温浴室
幅64cm、長さ180cm、深さ68cm、ゆったりと寝そべって入れる、深くて大きいバスタブがある大理石のお風呂だ。浴室の隣にはボイラー室があって、蛇口をひねると熱いお湯を出せ、しかもお湯炊き機能付き。ボイラー室の熱が壁や床全体を通って部屋全体を温める「床下暖房」の設備まであったという。はっきり言って、うちのお風呂より、豪華! 予想以上に大きかったお風呂設備セットをぐるぐる周りながら、2000年前のポンペイには、こんな豊かな暮らしをしてる人々が住んでいたのだと体感した。

他にも、娯楽コーナーの剣闘士の兜や脛当(すねあて)、何に使ったか解からない魚やアーモンドや鶏の形をしたチップや垢すりヘラ(!)、青銅に銀の象嵌が施されているランプ、青銅の脚置き、折りたたみ式三脚などの家具類、ガラスや銀食器セット、竿秤とヤギ型おもり、いろんな場所で活躍する「クビドちゃん達」にキャラクターが立ちまくりのイルカや、パラダイスのような庭園エクステリア等など。ポンペイに暮らした富裕層階級の人々の暮らしを肌で感じることが出来る楽しい展覧会だった。

+ + +

いろんなところでがんばるクビド!
働くクピドたち&遊ぶクビドたち 働くクピドたち&遊ぶクビドたち

なんでイルカなんだろ。
イルカのモザイク イルカのモザイク。

解説に、こんな文章があった。

ポンペイ市民にとって、労働とは「家の中で行う仕事」でした。
農作業や土木作業のような戸外の重労働は奴隷が行うもので、
ポンペイ市民の仕事は奴隷を使ったプロジェクトの管理や、商業、手工業、そして家事でした。

そうか、ここはローマ帝国。



オリジナルグッズの「ポンペイ糖」発見す。
ポンペイ展2

ポンペイ展
世界遺産 古代ローマ文明の奇跡

会期:2010年3月20日(土)- 6月13日(日)
会場:横浜美術館
最寄り駅:みなとみらい線(東急東横線直通)みなとみらい駅
JR線、横浜市営地下鉄線 桜木町駅
美術館webサイト
ポンペイ展ポスター


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なつ
美術館・展覧会   4 1

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国立東京近代美術館  「水浴考」、所蔵作品展「近代日本の美術」
水浴考

「生誕120年 小野竹喬展」を見た後、企画展「水浴考 On Bathing」、所蔵作品展「近代日本の美術」を見た。
国立東京近代美術館の常設展はとても充実しているので、来るたびに見るようにしている。今回から「テーマで歩こう/Let's Browse With Topical Focus」という企画が始まったようで、入り口のところで小冊子を貰った。今回のテーマは「庭ー作家の小宇宙」 庭を作品に取り入れた所蔵品16点が、4階から2階の展示室内のあちこちに展示してあるという趣向らしい。2時間以上も小野竹喬展を見ていた後だったので、ちょっとパワーが落ちていた割りには好きな絵もいくつか見つかり、ゆったりとした気持ちいい時間を過ごせた。

特に気に入った作品(覚書)
水浴考 On Bathing
ラ・ガループの海水浴場
パブロ・ピカソ ラ・ガループの海水浴場  1955 油彩

満谷国四郎 行水
満谷国四郎 行水 1915 油彩
見た途端、「可愛い!」と思う。
少しうつむいた丸顔にぽってりした赤い唇、黒々とした長い睫(まつげ)、少し上気したほっぺた。
典型的な日本人体型(?)の丸い腰に太い太ももの若い女性。
右端一列と左上に描かれた蔦(つた)の葉、左手下の行水桶が
フレームになって、彼女を柔らかく包んでいるよう。。
こんなに可愛い裸婦像は初めて見たかも。
★企画展「水浴考」、今回の常設展を通じてのマイベスト1

+ + +

◆所蔵作品展「近代日本の美術」
イブを待つアダム
岸田劉生 イブを待つアダム 1912
暗い。。そんなにイブが生まれるまで暗かったのか!?
インパクトありすぎのアダムの顔と体操座りをする姿に目が釘付けになった。

岸田劉生  麗子肖像(麗子五歳之像) 
岸田劉生 麗子肖像(麗子五歳之像) 1918
一番初めに描かれた麗子像。
麗子が額縁に入ったイコンのように描かれていて印象に残った。

茄子
国吉康雄 茄子 1925 油彩 キャンバス

小さな秋の風景
パウル・クレー 小さな秋の風景  1920 油彩 紙(ボードに貼付)

小絲源太郎 惜春賦
小絲源太郎 惜春賦(せきしゅんふ) 1932 油彩

安田靫彦 伏見の茶亭
安田靫彦 伏見の茶亭  1956 彩色
ドラマの影響で私的にはイメージがいまひとつ良くなくない豊臣秀吉だけれど、
こんな品よく描かれるととてもいい人な感じ…。
着物の柄があでやかで美しい。

◆水彩・素描コーナー 「特集 顔を描く」
自画像
岸田劉生  画家自画像 1918 木炭、コンテ、チョーク、水彩
この日は、岸田劉生にとても惹かれた。
こちらを見る目力にどぎまぎする自画像。

謂れなき涙
鶴岡政男  謂(いわ)れなき涙  1966 パステル
目が三つに増え、目からはただ涙が流れる。
顔にあるのは、涙を流す目だけ。
本当に悲しく泣く時は、そういう感じ。
顔を包む青い色が心にやさしい。
とても感情移入出来る絵。

◆テーマで歩こう 「特集 庭―作家の小宇宙」
土田麦僊 舞妓林泉 
土田麦僊  舞妓林泉  1924 彩色
日本庭園を背に庭石に座る舞妓。
庭園は京都南禅寺の天授庵をモデルにしている。
舞妓さんも可愛いけれど、おとぎの国のように描かれた庭園も素敵。

会期に展示される重要文化財指定作品
 原田直次郎《騎龍観音》1890年(寄託作品)
 萬鉄五郎《裸体美人》1912年
 岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》1915年
 川合玉堂《行く春》1916年
 中村彝《エロシェンコ氏の像》1920年
 鏑木清方《三遊亭円朝像》1930年

水浴考 On Bathing
東京国立近代美術館本館 ギャラリー4(2F)
2010年2月20日(土)~4月11日(日)

所蔵作品展「近代日本の美術」
東京国立近代美術館本館 ギャラリー
2010年2月20日(土)~4月11日(日)


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なつ
美術館・展覧会   4 0

:美術館・博物館 展示めぐり。 - :学問・文化・芸術


生誕120年 小野竹喬展 
小野竹喬展

竹橋の東京国立近代美術館で「生誕120年 小野竹喬展」が開催されている。
1999年に行われた生誕110年、没後20年記念展以来10年ぶりの大回顧展で、
本画119点、スケッチ52点という出品数は過去最大らしい。
小野竹喬のこれだけ多くの作品をまとめて見るのは、私にとって初めての機会。
もう絶対行きたい、それもゆっくりと見たい。
でも私は、前期に行きそびれ、今はすでに後期…。
NHK日曜美術館でももう放映されたから、混んでるだろうなぁなどと思いつつ、
長谷川等伯展で思いっきり混雑に懲りている私がたどり着いた結論は、
「雨の日ならちょっとはマシかも…。」
雨降りで、思いっきり寒い冬日となった昨日の木曜日、思い切って見に行ってきた。

行ってみての感想。
期待通り、いや、期待以上の本当に凄く見応えがある展覧会だった。
パンフレットに「本展では“色”に重きをおく作画へと転じた1939(昭和14)年頃を大きな転換期とみなし、
それを境に竹喬の作品を2章に分けて紹介します」とあるように、約75年(!)に渡る画家の画業を、
前半と後半に分け、各章の後に、特集展示「竹喬の渡欧」「奥の細道句抄絵」がそれぞれ入っているという構成。
各章の作品も時系列に並んでいて、とてもわかりやすい。
作品を順に見ていくと、小野竹喬の作風のドラスティックな変化が本当によくわかる。

第1章の自然を細やかに描こうとした作品で惹かれたものもあったけれど、
「素敵!」「好き!」と思って、しばらく絵の前から離れがたい作品は第二章に多かった。
大胆にシンプル化して描かれた自然の形、そして、暖かく柔らかな色遣い。
内面を見つめるような濃く深い色にも、なぜか暖かさを感じる。
そしてその色の組み合わせの素敵さ。
ポスターやテレビで見たことがあった絵でも、その色の良さは、
実物の絵を見ないとわからないもんだなぁと当たり前のことを思う。

そんなこんなで、会場内滞在時間、2時間以上。
好きな絵を近くでじっくり見つめたり、ソファに座って遠くから楽しんだり、
図録を読んだりしながら、たっぷりと楽しんだ。

◆特に気に入った作品(覚書)
第1章 写実表現と日本画の問題 1903年-1938年
瀬戸内の春
瀬戸内の春 1916頃 笠岡市立竹喬美術館 
瀬戸内の海沿いの村。
季節は春、桜が咲く。棚田が広がり、里山の緑が鮮やか。
農家らしき茅葺きの家、蔵、家の石垣。山と棚田が広がる土地。
かなたには青緑色の穏やかな海が広がり、白い帆を揚げた船が行く。遠くには島も見える。

波切村 1918 笠岡市立竹喬美術館(飯田弟一氏旧蔵、遺族寄贈)
志摩・波切村(三重県)の雄大さを、朝(右隻)と夕方(左隻)の景色を一対にして描く。
茶色、赤茶、黄土色、緑。土地と樹木が大きく広がり、燃えているよう。
海沿いの高低差がある土地の山道、階段を収穫した稲を背負って上り下りする青い着物姿の農民の姿。
その姿を追い、屏風絵のすみずみまで風景を眺める。

山
 1929 笠岡市立竹喬美術館
富山県五箇山の重倉に取材した作品。
中国古来の「米法山水」の技法を用いている。
黒墨で力強く描かれた山々、その手前に細かい米点で描かれた山と森。
連なる山々の間には、湿潤な雲がたなびく。神々しさを感じる。

夕空
夕空 1953 ウッドワン美術館
パステル色の空に流れる雲、空には星がひとつきらめく。
そんな空を背景に、落葉した白と薄灰色の木。
右手に墨色で描かれた柿の木には、少しの葉っぱと柿が残る。
丸いコロンとした柿の実が可愛い。

第2章 自然と私との素直な対話 1939年-1979年
黎明
黎明 1960
★今回、2番目に好きになった絵
夜明けの空。穏やかで深く、なんとも言えない色。美しい。
空を背景に、流れるような姿をした柿の木。
枝先に芽吹いたばかりの新芽が見える。
夜明けと芽吹き、二つの新生。
静寂で穏やか。これから始まる、生まれる。
希望を感じる。心が安らぐ。

この絵の前にどれぐらいいただろうか。
長い時間この絵を独り占めした。
見つめながら実物が欲しいと熱望せれど叶わない。
絵はがきを買った。

根雪
宿雪 1966 株式会社ベネッセホールディングス
春にぽっかりと穴が開くように木々の根元から雪が解けるのを「根開け」という。
冬を幾度も経験した木々も、今年の若木も色々な色の木が雪の中から立ち上がる。
デザイン性が高い一枚。柔らかい雪色と木々の色もいい。

野辺
野辺 1967 笠岡市立竹喬美術館
★今回のマイベスト1
道端の土からすっくと元気に伸びる雑草達。
白い綿毛のような花、勢いよく伸びる芒(すすき)、いろんな色、いろんな色の葉っぱの草。
道端の草にもいろいろな姿があり、全てに違い、そして全てに名前がある。
後ろには、ふんわり白雲が浮かぶ青空。
可愛い形、可愛い色。みんな可愛い。
この絵、欲しい!

 1967
明るいオレンジ、黄色、青に塗り別けられた空。
竹が一本、すっくりと立つ。
気持ちが元気になる絵。

 1971 笠岡市立竹喬美術館
穏やかな海に小船が一艘。遠くにさおで操る人が一人。
たぶん繰り返される日常といつもそこにある自然。

一本の木 1972 岡山県立美術館
柔らかな色の青、夕日で赤紫色に染まった雲を背景に、
空に向かって大きく伸びる一本の木。
黄土色の幹。枝は左右に広がる。
年月を重ねた人間の姿にも重なる。
葉は枯れ落ちても、この木のように、堂々と立っていたい、生きて行きたいなどと思う。

京の灯
日本の四季 京の灯 1974 天満屋
比叡山の中腹から薄暮の京都の街を見下ろした風景。
日は落ちて、手前の山はすでに暗くなった時刻。
街では、赤、白、黄色、水色などの灯がキラキラと星のようにきらめく。
飴玉みたいな可愛い色。
京都に帰りたくなってきたよ…。

特集展示1 竹喬の渡欧

特集展示Ⅱ 奥の細道句抄絵
田一枚植えて立ち去る柳かな
奥の細道句抄絵 田一枚植えて立ち去る柳かな 1976 京都国立近代美術館
水を湛えた田んぼに映った青い空と白い雲。
植えたばかりの稲は声を揃えて、元気に歌っているよう。
楽しい。

最上川
奥の細道句抄絵 暑き日を海にいれたり最上川 1976 京都国立近代美術館
とにかく色がきれい。この配色が好き。
暑い一日、太陽が海に沈み、最上川も海に流れる。
穏やかな一日の終わりを感じてほっこり。癒された。



作品を見終わってふと思ったのは、
「私、この人の空の色と葉っぱが好き」
50才を過ぎてどんどん変貌を遂げ、80才代になっても
人の心をわし掴みにする素敵な絵を描き続けた小野竹喬さん。
会場を出た途端、もう一度、彼の絵に会いたくなった。


生誕120年 小野竹喬展 
東京国立近代美術館
2010年3月2日(火)~4月11日(日)
前期:3月2日-3月22日 
後期:3月24日-4月11日
東京国立近代美術館webサイト
NHK展覧会情報webサイト
小野竹喬展ポスター


【展覧会概要】
小野竹喬(おの ちっきょう 1889-1979)は、1918(大正7)年に京都で設立された国画創作協会のメンバーの一人として、日本画の新しい表現を模索したことで知られます。他方、後年には、温雅な色彩と簡潔なかたちを特徴とする画風を打ち立て、「風景の中にある香りのようなもの」(画家のことば)を画面にとらえようと、さりげない自然の表情に眼を向け続けました。
本展覧会は竹喬の生誕120年を記念し、初公開作品11点を含む本制作119点とスケッチ52点により、およそ75年にわたる創作活動を回顧するものです。本展では“色”に重きをおく作画へと転じた1939(昭和14)年頃を大きな転換期とみなし、それを境に竹喬の作品を2章に分けて紹介します。また、各章にそれぞれ「竹喬の渡欧」、「奥の細道句抄絵」と題した特集展示を設け、竹喬の生涯と作品に迫ります。

(近代国立美術館webサイトより引用)



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なつ
美術館・展覧会   14 3

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「藤田嗣治 - 東京・ニューヨーク・パリ」展
ベルナール・ビュフェ展を見た後、同じ階で開催されていた「藤田嗣治展」を見た。
パンフレットもポスターでも、ビュフェ展の「同時開催」というおまけみたいな扱いだったので
「作品数点の展示なのかな」とおもっていたら、意外に作品数が多くて、
でも多すぎない量だったので、最後に見るには程よい感じだった。
作品の種類?も、油彩、水彩、デッサンに、エッチング、焼き物、
テーブルまであって、本当に多才な人だったんだなぁと思う。
私の中で、特によかったのは、葉書と手紙、それからポスターかな。
葉書は、10代の頃、友人に宛てて書いたものだそうで、
「はがき」という一枚の決められたサイズの小さなキャンバスの中に、
絵と文章がとてもバランスよく素敵に描かれていて、とても惹かれた。
家にこんな葉書が届いたら、絶対にうれしいと思う。

◆特に印象に残った作品(覚書)
君代のプロフィール 1938年 水彩
一目惚れし翌年5度目の結婚、終生連れ添った女性。

西瓜 1948年 水彩、紙(軸装)
スパニッシュ フロッタージュ、紙
書簡(フランク・シャーマン宛)
葉書(澤○治宛)
ポスター マドレーヌ
ポスター 現代画家展(ギャラリー・ドゥ・ロテル・ドュ・パルク)
ポスター 時代の証人・画家展(ガリエラ美術館)
ポスター フジタ展(ペトリデス画廊)


藤田嗣治-東京・ニューヨーク・パリ
目黒区美術館
2010/2/11(木・祝)~4/11(日)
月曜休館(ただし3月22日(月)開館、3月23日(火)休館)
目黒区美術館webサイトhttp://www.mmat.jp/


藤田嗣治
レオナール・ツグハル・フジタ 1886~1968年

本展では、目黒区美術館の所蔵作品である「シャーマン・コレクション」(蒐集家フランク・シャーマン旧蔵のコレクション)の水彩、版画、絵手紙、陶芸などを中心に、1924年の作品「動物群」(油彩)や関連作品、同年の「10人のこどもたち」(油彩)で構成いたします。 (*目黒区美術館サイトより引用・抜粋)


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